水を通してココロ・カラダぐんぐん!お母さんたちの子育てを応援するマガジン

2018.06.14 | 育児

幼少期に育てたい力【最終回】

【最終回】
「もっとやりたい」「不思議だな」と感じる子どもの心を大切に



好きなことには時間を忘れて没頭し、「もっと知りたい」「もっと上手になりたい」と学んだり、工夫したくなるのは人間の本性。

まずはそういった「感性を発動させるために、いろいろな体験をさせてあげましょう」とは、育児学の専門家で白梅学園大学学長の汐見稔幸さんはアドバイスです。


連載「幼少期に育てたい力」最終回は、お母さま、お父さまが、どのように子どもの「自分さがし」の応援をすればいいか、伺いました。


Q.子どものころから「好きなことに没頭すること」が大切だそうですが、好奇心を育むために家庭でできることはありますか。


テレビに映し出された恐竜に興味を示していたら、本で調べたり、恐竜の映画を見たり、絵を描いたり、粘土で作ってみたり、「今度は科学博物館に行こうか」と興味をつないでいきます。

そうやって常に、子どもの興味や関心が何に向かっているかを知ったうえで、少しずつアンテナを高められるようサポートしていくのです。

途切れそうになったらまた新しい刺激を注入するよう心がけられるといいですね。


自分の好きなことを見つけ、集中して楽しめることは、生きるうえで大きな財産になります。

お母さま、お父さまはいわば、「わが子の自分さがし」の最強の応援団です。

その財産を子どもが手中にできるように、何をしたら自分らしく生きていけるかを知ることについて上手に応援してあげてください。


そもそも人間は、自分の周りの気になる世界に対して「もっと知りたい」とか「どうしてこうなるんだろう」と、感じる本能をもっています。

「不思議だな〜」という感性が発動するような体験をいっぱいさせて欲しいものです。


お母さまやお父さまが行ってみたかったという「本物の文化」に触れられる場所に子どもと一緒に訪れ、さまざまな体験をしてみるのはどうでしょう。


それ以外にも「新緑がきれいね。公園に行ってみようよ」とか、「春になって植物の芽が出てきたけど、これはヨモギっていって食べられるんだよ〜」と野の草を摘んで天ぷらにして食べてみたり。

音楽でも「演奏してみたい楽器は何? コンサート、見に行かない?」とか。


泳ぐことが好きだったり、水に興味があるようだったら、スイミングスクールに通ったり、水を楽しむための工夫をしてみたらいいと思います。川や海にまで関心を広げると興味の対象は広がりそうです。


そうやって、子どもたちが関心を示しそうな「本物の文化」体験などを意識的にさせていけば、何かにヒットして興味をもっていくはずです。

中には一過性のものもあるかもしれません。

しかし、興味の深浅を感じとって「これ、この子好きかも」と根気よくサポートしていってください。


Q.お稽古ごとにしても、子どもが好きだったら続けるべきで、嫌々させていても仕方ない、ということですよね。


実際問題、通うのを嫌がったり、無理強いしたりすると続かないものです。

ですから、「行きたくない」というならしばらく休ませてもいいと思います。

休ませている間に、どうして「行きたくない」のかじっくりと子どもの話を聞いてあげて、上手に気持ちのコントロールをしてあげることが必要です。 


Q.体操の内村航平選手や白井健三選手は、親御さんの指導する体操教室を遊び場所にして、トランポリンで夢中になって遊んでいたと聞いています。

それが彼らの世界トップレベルの演技に結びついているのでしょうね。


好きに遊べる環境がよかったと言えそうです。

放っといたら子どもは「もっと上手になりたい」「もっと高く跳びたい」と思って自分で工夫をしはじめます。

「できた」と心から思える体験は、楽しいものです。


これはどの道にも共通していることで、あるピアノの先生に「どういう子が伸びますか」と尋ねると、「ピアノが大好きで自分でどんどん弾いていこうとする子」という答えが返ってきました。

自発的に楽しんでものごとができるというのは、それだけ大きな力をもつものなのです。


子どものいろいろな力の成長を本人と一緒に喜べる。

それも親だからこそ味わえる大きな楽しみの一つです。

<完>