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2018.05.18 | 育児

幼少期に育てたい力【第3回】

「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」であげている、幼児教育において育みたい5領域のうち、今回は「環境」「言葉」「表現」を取り上げます。

「本物の文化」との出合いなどを含め家庭での育て方を、白梅学園大学学長の汐見稔幸さんに教えていただきました。


第3回
どこを見るの?「環境」「言葉」「表現」


Q.保育士さんや幼稚園の先生が子どもの成長を見る目安となる5領域の残りの3つ、「環境」「言葉」「表現」について教えてください。まずは、「環境」から。


周りの世界を認識し、どれだけ好奇心をもてるかに関するものです。


子どもを取り巻く環境には、自然的なものや文化的なもの、地域・社会的なものがあります。

「環境」とは自分の外の世界を上手に認識していくことなのですが、そのためには好奇心だけでなく「探究心」も必要となります。

「何かな?」「なぜ?」「これはどうなる?」という疑問が生まれ、自分なりの答えをさがし、発見などをしつつそれらを生活に取り入れていくことが大切です。

「環境」への意識を広げるポイントは、自分以外のものにどれだけ関心をもてるのか、です。


興味や関心は十人十色。

子どもがどんな世界にどんな興味をもつかは全く予想できないもの。


「本物の文化」という呼び方があるのですが、ここでいう子どもにとっての「本物の文化」とは、手間暇かけていいものをつくろうとしたくなる活動や、実際に丁寧にいいものをつくっている営み、それに携わっている大人たち、できあがった物と接することで子どもの目が輝きだす、そんな事柄を指します。


そういったものに出合うとビビビッと心が動き、「面白そう!」とか「どうして?」とか「もっと知りたい!」と感じる瞬間があります。そういった対象に対して子どものアンテナがちょこっと立っていきます。


大人の指示や教示ではなく、文化が子どもたちを育てる力をもつことを知ってお母さま、お父さまは、そのアンテナを高めるサポートをしてあげられるといいですね。


Q.「環境」についてお母さま、お父さまができることとは、子どもを取り巻く多くのことを認識しつつ、社会性なども含めて身に付けていくためのサポートをするということのようですね。
次の「言葉」は、どういった力になるのでしょうか。

 

自分の心の世界を表す最もふさわしい言葉をさがすというイメージです。

そこには、言葉だけでなく、心を大切にすることも含まれてきます。

言葉に関する能力はそれだけで育っていくのではなく、伝えたい出来事や人間関係があって初めて広がっていきます。

そして、音を伴った体験とセットになって入ってくると、自分の言葉として身に付いていきます。


絵本などの読み聞かせは、物語に興味をもったり、一緒に聞いているお友だちと感情を共有したり、想像の翼を大きく広げることにもつながります。

読み聞かせは「言葉」に関する能力を発達させるだけでなく、親子のコミュニケーションを深めることにも結びつくのです。

ご家庭でも、お母さま、お父さまは、ぜひお時間を作って実践してみてください。

Q.最後の「表現」とは、どういったことでしょうか?



表現は、「言葉」とも関係が深く、自分の中にさまざまな体験が蓄積されることから生まれていきます。

ですから、自由な発想を大切にし、「本物の文化」との出合いなどで心が動きだすような体験を重ねられるようにしたいのは、「環境」でお話したことと同様です。


表現は通常、念頭に置く人がいて、その人に宛てられています。

お母さまやお父さまに向けられたものを「へー、面白い色使ったね〜」とか。「〇〇ちゃんらしい色の使い方だわ。

私、大好きだわ」と心から言えば、「この人は上手・下手で見ないで、きちんと受け止めてくれる」と理解し、どんどん表現しようとするものです。


子どもの表現を上手く受け止められるようになると、子どもとの自由で豊かな表現のやり取りだけでなく、親子の人間関係も相乗効果でしっかり育っていきます。

就学前は、いろいろなことを通じて「言葉」が少しずつ身に付いていく時期です。

語彙(ごい)を増やすことももちろん大切ですが、自分の心の世界を表現できる言葉を見つけられると楽しいということを、この時期にしっかりと味わえるように心かげてみてください。


例えば、「うれしい」「悲しい」「寂しい」「楽しい」などの感情をうまく言葉で表せると、表現することの楽しさが実感できます。そうやって、自分の考えや経験したことを話せるようになっていくのです。

発信するだけでなく、人の話を聞く姿勢をつくっておくことも気にしたいものです。


第4回目は
「子どもの非認知能力を高めるために家庭でできること」です。
どうぞお楽しみに。